喜左衛門ブログ:President Blog

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2024年2月19日 (月)

ポップアートの巨匠「村上隆、もののけ京都」は面白かった!(^^)!

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日曜日、京セラ美術館(京都市美術館)へ、村上隆の美術展を見に行きました。

彼は、1962年に東京で生まれ、東京芸術大学で日本画を学びました。
ポップアーティストで、京セラ美術館のホールにはアッと驚く巨大フィギアがいます。

マニキュアの足が邪鬼を踏みつけています。

村上隆はアメリカ人や若者の間で大人気のアーティストですが、大人の中には眉をひそめる人も多くいます。村上隆の作品には、キャラクターのフィギュア、アニメなどのサブカルチャーの影響が強く、それらのパクリだと言う人がいるのです。
また、村上隆を「和製のアンディ・ウォーホル」(1928~1987)だと言う人もおり、奇をてらった商業主義だという指摘です。
しかし、彼の作った等身大のフィギュアは、サザビーズに出品され、前評判は2~3億円でしがたがオークションで16億円の値段が付きました。

展覧会の入口には、長大な洛中洛外図が展示


下図は、お坊さんが寺の鐘の勧進(寄付集め)をしています。
村上隆は日本画専攻でしたが浮世絵や琳派(宗達、光琳など)から影響を強く受けました。
この洛中洛外図の巨大で精密な出来栄えはドギモを抜きます。

花鳥風月の図


実によくできたデザインで美しい・・・
光琳の観世流水のデザインが垣間見れます。

六角螺旋堂と四神

四神・・・東は青龍、西は白虎、南は朱雀、北は玄武(尾がヘビの亀)です。




アニメの世界に入りました。
村上隆の最も得意とするところです。

ここから村上隆のキャラクターの世界です。

DOB・・・村上隆の日本文化の「スーパフラット」論、「オタク文化」などの日本人の魂から出てきた「もののけ」・・・を象徴しています。



「スーパーフラット」とは・・・平板で余白が多く・奥行に欠け遠近法的な手法を拒む・・伝統的な日本画、マンガ、アニメなどにも共通する造形上の特徴(村上隆の主張)

風神雷神ワンダーランド


京セラ美術館でカメラは自由なので、会場はカメラの撮りまくりです!(^^)!

巨大な雲龍赤変図・・原画は曾我 蕭白(1730-1781)

見返り菩薩

村上隆はメタバースに興味をもち、アバター、NFTの展開です。


彼が常に時代の先端を行こうとする姿勢、商業主義に美術界の大御所は「奇をてらっている」といいたいのでしょう・・・
ポップアーティストは時代の先端と庶民性は不可欠ですよねぇ(^_-)-☆

五山の送り火(京都の大文字)

十三代目市川團十郎白猿襲名、十八番


この大だん幕は、歌舞伎座、南座でも使われました。
村上隆のあこがれの舞妓さん

村上隆はかような人物(62歳)です。

興味ある方は、是非、京セラ美術館にお越しください。

後記
前衛的なアーティストは、いつも美術界の大御所からは認められません。
昔の印象派の創出した面々、ゴッホやピカソなど多くの前衛芸術のもつ「庶民性と尖った感性」は最初は無視され、やがて受け入れられ絶賛を浴びていきます。
「幻想的な画家」のマルク・シャガール(1887-1985)の絵もやがては教会の壁画、ステンドグラスに作られました。
「究極のモダン」を提唱した庭園家・重森三玲(1986-1975)も東福寺の国宝の方丈の庭園や松尾大社など多くの寺社の庭園に腕を振るいました。
村上隆の未来に期待したものです。