喜左衛門ブログ:President Blog

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2013年10月15日 (火)

高校生29人が、近江商人の行商の旅に出る

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夏休みの7月下旬、八商(県立八幡商業高校)の生徒さん29人は、志願して1週間の行商の実習ツアーに出かけました。 まさに「てんびんの詩」の実践版です。
6月15日(土)に、NPO三方よし研究所の三人の我々メンバーは八商を訪問し、課外授業でこの29人の志願の生徒さんに熱烈授業(?)をしました。
今日は、生徒さんの夏休みの実習の成果発表です。 29人の生徒さんが、見知らぬ土地で1週間も行商の苦労をしてきたかと思うと、我々は心臓がドキドキして八商へ再訪しました。

ヴォーリスの名建築 近江八幡市の八幡商業高校
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おなじみ辻井美恵子校長先生
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優しそう雰囲気ですが、近江商人の火の玉の情熱を持った先生です。

7月24日(水)貸切バスに乗って12時間・・・夜8時に学校を出発して、夜行バスにゆられて翌朝8時時半に宮城県石巻市に到着。 バスの中は、行商に仕入れた近江の物産で一杯です。  東北の大震災で、石巻市は最大の被災地で5千人もの死者がでました。

販売の初日の朝の仙台は、大雨で商品が濡れるのを心配しながらも全くの販売不振。
元気にお客様へ声を掛けるが空回り・・・

2年生の班 
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熱い生徒さんの思い・・・ 「近江商人再生プロジェクト」の実習を通じて、三方よしを体得したいとの情熱が伝わってきます。 東北の被災地で何か社会貢献をしたいとの一途な思いが伝わってきます。

会津若松で荷車に商品を積んでお客様に行商。 徐々に売れだし、人の人情に触れ、心が熱くなる・・・ 売れたぁ!! ほんとに嬉し涙がでてくる・・・
こんなピンチの中で「天八商店(八商の29人の商店名)」の心が一つになっていく。

「復興の手助け」
商いを通じて、仕入れ先にもお客様にも、「被災地の貢献している」と感じて頂けるような商売を目指すとあります。
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東北の産品、近江の物産が、東京の商いで本格的に売れだし、生徒とお客様の笑顔がはじけ、販売の口上もどんどんスムーズになり販売が加速する・・・
最終地の静岡県富士宮市では、富士宮市長さんも応援に来られ、29人の生徒も最後まで販売に粘り、遂に商品は完売!!
疲労困憊の1週間でしたが、若さで底なしに明るく、バスで近江八幡へ帰郷。

NPOの出前講師の中澤道盛さん  近江商人の心をやさしく厳しく説く 
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ナカザワ㈱の社長で、77店舗の時計屋さんを発展させた「現代の近江商人」です。

同じくNPOの高木敏弘さん  商いに反することについては手厳しい・・
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近江八幡市の教育委員さんです。

私(NPO理事長)は、歴史に鍛えられた近江商人の知恵を話しました。
授業の後、商業科の先生方と、ツアーの1週間の苦労話に夕方遅くまで花が咲きました。
辻井先生を中心に記念撮影。(中澤さんは、商用で再び仙台へ出かけました。)
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後記 
生徒さんの1週間で、我々が何十年かかって体得した知恵を、日に日に成長する過程で身に着けていかれました。
生徒さんの頼りない出発前、そして、仙台で雨に打たれて人の人情に触れ、生徒同士も切磋琢磨(せっさたくま)して、すっかり近江商人らしくなっていきました。
29人の生徒さんは、先生方、尚商会(同窓会)、県人会の方々の厳しくも陰ながらの応援で、たくましくなって帰郷しました。 本当にご苦労様でした。