世界遺産・屋久島。生命のよろこび

お正月の元旦の三ケ日、屋久島に家内と行ってきました。

屋久島の太平洋からの日の出です。

鹿児島市から南へ１３５キロ、直径３０キロのほぼ円形の島で、日本で９番目に大きい島です。
気候は、海岸部は亜熱帯、標高１９３６メーターの宮ヶ浦岳（九州の最高峰）は亜寒帯という色々な気候帯が垂直分布し、ユニークな固有種の動植物が多様に生きる摩訶不思議な島です。

飛行機は大阪国際空港（伊丹）―屋久島空港に飛びました。

屋久島空港は滑走路が短く、ジェット機は不可能でプロペラ機が大阪と鹿児島へ飛びます。
実は、家内と新婚旅行で４０年前に屋久島にきて以来の訪問です。

屋久島は花崗岩で成り立ち、島の中央部が２千メーターの高さで、海岸から切り立った地形です。

鯛ノ川（たいのこ）からいきなり竜神の滝が登場しました。

その奥に有名な千尋の滝（せんぴろの滝）があります。

人の両手をいっぱいにひろげて千人分の広さがあるそうです。（４００ｍＸ２００ｍの巨大な花崗岩）

トローキの滝。太平洋に注ぎます。

トロッキーではありませぬ。（団塊の世代しか判らぬシャレ？？）

中間のガジュマル


「まんてん」（ＮＨＫ連ドラ）のロケ地だね・・

ツワブキはキク科で黄色い花を咲かせます。


ポンテセチアが自生して、赤い葉をつけています。

大川（たいこ）の滝です、

このあたりは、げじべいの里（原集落）です。
「げじべい」は妖怪ですが、山の守り神です。
山を荒らす人間にいたずらをし、こらしめるのです。

不気味な「きざべい」です。

屋久島の西側は、世界遺産（１９９３年登録）の西部林道です。


ヤクサルが沢山います。

世界遺産になった半山の照葉樹の林が続きます。（海抜１００－２００メーターの間）



ヤクシカが沢山います。
屋久島は、人間が１万３０００人、ヤクシカは１万８０００頭、ヤクザルは１万３０００匹が生息。
シカもサルも一時は減少しましたが、今や増加し食害により間引き捕獲されています。
屋久島町でヒト・シカ・サルが選挙したら、シカが勝ってシカ町長になるかも・・・シカと判りませんが

ガジュマルの木が原生しています。

クワ科の木で、珍しい木で数メーターの幹の上からから気根が下がってきて、空気中の水分、栄養素を吸収しやがて、地上まで垂れ下ってきて地面に根を張り、その根が何本もの幹（茎）となります。

ガジュマルは天を突くような巨木となります。

トトロに傘になった「クワズ芋」

屋久島は日本有数の多雨地帯で渓流がいたるところに流れます。

清流すぎて、魚はいません。「水清ければ魚住まず」
ジブリの「もののけ姫」の舞台そのものです。コタマ（木霊）の妖精が出てきそうですね。

半山断崖まで来ました。


対岸に昨年噴火した口永良部島が見えます。
屋久島の沖はサンゴ礁、天上は雪山です。

屋久島トレッキングの名ガイドの菊池淑廣さん

動植物、歴史など、あらゆる分野に通じた屋久島を愛する人生の達人です。

ウミガメの産卵地の永田いなか浜です。


ウミガメの上陸は延べ１万回を超える日本一の海岸です。

益救（屋久）神社を参拝しました。

神社に珍しい阿吽の力士石像です。

ホテルＳＡＮＫＡＲＡに戻りました。
屋久島は、時間の流れがとてもゆっくりしています。
ウミガメ（陶器製）とヤクヤモリ（金属製）と遊ぶ・・


屋久島の哺乳類は、シカ、サル、モグラ、コウモリ、イタチ、ネズミ位が生息しているそうです。

後記
元旦には屋久島でヒョウが降り、島の高山部には大雪で行けずに縄文杉などは見れませんでした。
屋久島は花崗岩が突出した岩場ばかりで、植物にすると極端に厳しい土壌・環境です。
その中で、屋久杉は樹齢１０００年を越え、縄文杉などは３０００年を超えると言われます。
土壌の栄養分が少なく、年輪の間隔が少なく抗菌性のある樹液に守られてスリムに年輪を重ねていきます。
結果として、屋久杉は非常に重厚感と味わいのある木肌が出来上がります。
人間も粗食で年輪を重ね長寿な人が多いですね。
今年の連休に、再び屋久島を訪れ、高山の縄文杉を尋ねようと思います。