喜左衛門ブログ:President Blog

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2016年1月13日 (水)

伊藤若冲と円山応挙のワンコ比較論

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ダルメシアンの「101匹のわんちゃん」

お父さんはポンゴ・・・懐かしいなあ、(^○^)
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さすがにディズニーの作品だけあってカワイイですね。
ウチの愛犬べス(黒のラブラドール)も、めっちゃ可愛いけど・・・

これは、円山応挙の「狗仔図」(小生、蔵)
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モコモコして実に愛くるしい・・

上は101匹ワンちゃん、下は伊藤若冲の「百犬図」です。(絵葉書より)
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若冲の絵、数えてみると本当に百匹いるのです。
ちょっと拡大してみましょう。
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実はこの絵は伊藤若冲の83歳の最晩年の作品です。(1716-1800年 84歳没)
若冲は70歳の時に大火にあい、自宅、作品、スポンサーなどすべて失い、気ままな富裕な絵描きから、急に絵1枚を米Ⅰ斗で売る生活者になったのです。
しかし、物欲のない若冲は悠然とそれを楽しみながら絵を描いていました。

若冲の17歳下の円山応挙は、人気が大ブレークして門弟千人を抱える円山派として隆盛を誇り、近世の京都画壇の中枢を担いました。(応挙1733-1795 62歳没)

応挙のワンコの絵です。
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応挙の温顔の人柄のよさは有名で、ワンコの絵もホンマに素晴らしいですね。
若冲は当時の「平安人物志」(京都・名士録)で応挙に次ぐ高名な絵描きだったそうです。
京都の相国寺(御所の近くの臨済宗の名刹)にあるお墓には、「藤原定家(歌人)、足利義満(将軍)、伊藤若冲」の3人が横並びでひとくくりに建立されていますから、相国寺の管長さんの若冲への思いは格別だったのでしょうね。
明治以降の若冲の評価は、写実と想像を巧みに融合させた「奇想の画家」としてマイナーでしたが、1990年代以降その超絶した技巧や奇抜な構成などが再評価され、特に、ジョー・プライス(米国)のコレクションで知名度と人気が高まりました。
今年は、伊藤若冲の生誕300周年、弊社のビジネス「西陣織美術工芸あさぎ」で、大いに盛り上げます。ご期待ください<(_ _)>