喜左衛門ブログ:President Blog

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2016年2月15日 (月)

いい湯だな♪・・温泉で休日

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石川県加賀市の渓谷にある山中温泉に行ってきました。

ここには私共夫婦が十数年来、お世話になっている「かよう亭」という名旅館があります。
上口昌徳さんご夫妻が、永年、丹精を込めて磨き上げられた癒しの空間です。
大好きなかよう亭の風景
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露天風呂付きのお部屋が運よく空いていました。
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旅館のサロンです。
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サロンでハーブティを頂きながら幸せのひと時を過ごします。

かよう亭の宝物・・地元の川北良造(人間国宝、82歳)作のケヤキの挽(ひ)き物
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この地は「山中塗」の産地だけあり木地師(木地をロクロ挽きする職人)が沢山います。

サロンに佐竹康宏さん(木地師、工芸作家)作のワイングラスがありました。
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実に繊細な木製の漆塗りのワイングラスで、芸術的な作品です。(十数万円もします。)
今春に三越日本橋本店で彼の個展(3月9-17日)の予定です。
是非、お越しくださいヽ(^。^)ノ

佐竹康宏さんの美しい作品集を頂戴しました。巻頭にかよう亭の上口さんの言葉がありました。
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実は、佐竹さんと小生は大の仲良しで、彼の工房を訪ね彼も五個荘の拙宅に何回も来てくれました。
この大きなお盆は、彼の作品で拙宅での愛用品です。(ケヤキ製)
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かよう亭のサロンのピアノ上に海部公子さんの陶板の絵が掛かっています。
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これも海部公子さんの陶板の絵で、ハタハタが実に美味しそう(^O^)
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椿の花が各所に活けています。
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勅使河原宏さん(映画監督、アーチスト、草月流三代目家元)はかよう亭に長逗留され、有名な「あやとり橋」を鶴仙渓に設計されました。
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雨模様でしたが鶴仙渓を散策しました。
大聖寺川が滔々と流れます。
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オゾンがいっぱいで深い緑に水が至る所がから湧いてきます。
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「あやとり橋」です。子供の頃の遊びを思い出しますね(^O^)
実に造形的な橋、世界でも珍しい橋ですね。
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下を流れる大聖寺川・・・

昔、松尾芭蕉もここを訪れました。鶴仙渓にある芭蕉堂です。
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お隣の山代温泉まで足を延ばしました。
温泉寺、服部神社の通りの石灯篭に、ワラの衣裳がしてあります。
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石の割れ目に水が入って凍結して壊れるのを防止しているようです。

山代温泉の名所「いろは草庵」です。ここは北大路魯山人の寓居跡です。(吉野家の主人の別荘)
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魯山人はここで篆刻(てんこく)、陶磁器を製作し、山代温泉の名旅館の旦那衆と昵懇になり、魯山人は感性を磨き食通に浸り作陶の三昧の生活をしていたようです。
魯山人の作陶は九谷焼窯元・須田菁華(初代)より教わりましたが、小生は4代目・須田菁華さんのファンでご夫妻にはいつもよくして頂いています。

魯山人の寓居跡にイサムノグチの作品「あかり」がありました。
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イサムノグチ(1904-1988)は、47歳で山口淑子と結婚し、北鎌倉の魯山人の自宅に居を構えて制作活動をして、魯山人が作陶の手ほどきをしたようです。
イサムノグチさんは、重森三玲さんとも仲が良く、重森三玲旧宅の大書院には大きなイサムの「あかり」があります。

後記
日本古来からのリゾート地である温泉地は、日本の文化人のたまり場となって色々な芸術家の系譜となり、名旅館の旦那衆がそのパトロンとなって、文芸、伝統工芸、古典芸能などをサポートし、芸術家も大いに触発されものでしょうね。
全国各地の古くからの温泉地は、豊饒な日本文化のインキュベーター(孵化器)のひとつかもしれませんね。