喜左衛門ブログ:President Blog

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2016年3月28日 (月)

仁和寺で「文化財・保存修理の研修会」

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京都に文化庁が移動することになりましたヽ(^。^)ノ

弊社は京都の三条通りのSACRAビル(大正5年建築、文化財)を持っているため、文化財の管理者を集めた研修会(主催は京都府文化財課)へ家内(監査役)と参加しました。
会場は仁和寺で、防災の勉強と仁和寺観音堂(重文)の保存修理現場の見学がありました。

仁和寺(真言宗御室派本山、世界遺産)の仁王門(重文)と仁王さんです。
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宇多天皇の勅命で888年に創建されました。
このお寺は国宝だけで十数点もあり重文など文化財の宝庫です。

本山の宗務所があり華道御室(おむろ)流の本部です。
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勅使門です。
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ここは1220年前、宇多法王のご在所で、以後、皇室ゆかりの門跡寺院となりました。

御室桜が有名です。(大正5年に国の名勝指定)
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遅咲きの桜として有名で、立木が低くちょうど目の位置に、たわわなボタン桜が咲きます。

中門(重文)です。
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◎いよいよ研修会です。
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仁和寺の執行様のご挨拶です。
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昔の仁和寺の観音堂(重文)です。
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この観音堂は戦乱で焼失し、350年位前に徳川3代将軍の家光公の時に幕府の応援で再建されました。

京都府文化財課の課長さんです。
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礎石の沈下を直し、柱の下部が腐っているので継木(つぎき)をするためジャッキアップしています。
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◆小生の体験・・・・
重森三玲旧宅(300年前、近衛家の庇護下にあった吉田神社の神官・鈴鹿家の遺構)の母屋を譲り受け、10年前に「招喜庵」として大改修しました。
やはり、礎石が沈み、柱の底部が腐って屋敷全体が11センチほど傾いていました。
そこで11台の機械を使いジャッキアップしてレベル合わせをしました。
結局、壁の塗り替え、瓦のやり替えをし、個人的に大金(?)を消耗しました。(>_<)

仁和寺の長いひさしを桔木(はねぎ、緑色の木)、丸桁桔(がぎょうはね、赤色)が支えます。
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屋根の上でも大工さんです。
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いよいよ重要文化財の保存修理現場での学習です。
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解体工事中で仮屋根が掛かっています。
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地面を固め、回廊のレベル(高さ)を合わすために工夫があります。
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擬宝珠(ぎぼし)が集められています。
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大屋根の瓦を外しています。
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小生もヘルメットをかぶり2階に登ったり色々と見学しました。
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◆小生の体験・・・
町並み保存地区「五個荘」の先祖の拙宅(重要伝統的建造物指定)の屋根修理をしました。
150年位前の建築で、屋根の瓦などが傷み、雨水が入り根太が腐ってきました。
仮屋根で全体を覆い、瓦を外して根太を替え色々な部材を替える大工事でした。
ご先祖様の屋敷維持するのは必死の苦行です。<(_ _)>

観音堂の大工さんの工事現場です。

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色々な工事現場を巡回します。
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◆小生の体験・・・
小生の道楽で「京の町家」や京都の大山崎山荘の一角「生々居」(昭和初期の洋館)を入手して修復しました。この工事現場は中々、面白いものでした \(^O^)/

観音堂の瓦職人さんも大変です。
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国宝の金堂の見学です。
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阿弥陀如来様と脇侍(いずれも国宝)が鎮座しておられます。

経蔵(重文)です。
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有名な五重塔(重文)です。
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和辻哲郎の「古寺巡礼」の本で絶賛された優美な五重塔です。

◆小生の感想・・・
寺社仏閣の大工さんの匠の技を学び、文化財保存のいい勉強になりました。
誰かが文化財を守り修復して、先人の文化を大事にしながら「いかに現代に合わして文化財を愛情と敬意をもって扱うか」・・が問われます。
外形(建物)の修復保存をしながら、民家なら生活文化、寺なら宗教活動の実態(本質)をいかに残すかが問われているのだと思います。
よい機会を与えて頂いた京都府文化財課に感謝です。