喜左衛門ブログ:President Blog

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2019年9月19日 (木)

「佐賀の三右衛門」と喜左衛門

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焼き物の世界で「佐賀の三右衛門(人間国宝)」といえば、
有田の酒井田柿右衛門、今泉今右衛門、唐津の中里太郎右衛門です。
喜左衛門は、昔に有田へ行き、次は唐津へ。三連休の最終日に唐津を初訪問してきました。
博多から電車で1時間あまり、福岡を越え佐賀県に入り唐津に到着します。
唐津は九州の押えとして、徳川幕府はここに譜代大名を据えました。

旧・唐津銀行本店です。明治45年、辰野金吾(唐津出身)の設計

昔は石炭で栄え、石炭技師から大成功した旧高取邸です。(重要文化財です)

壮大な屋敷で正に石炭御殿でした。
埋の館

実にゆかしい唐津市らしい文化施設でした。

中里太郎右衛門のお店です。

先々代の中里太郎右衛門作の唐津焼の達磨大師

13代と14代の太郎右衛門の作品展

14代夫人と小生夫婦

非常によくして頂きました。

13代・中里太郎右衛門(1923-2009年)は、父(12代、無庵、人間国宝)の後を継ぎ、
古唐津焼を研究し、叩きの技法を確立。
しかし、それでだけでは飽き足らず、モダンな唐津焼を求め、芸術院会員となり、
東南アジアなどの焼き物を広く調査し亡くなる5年前に博士号を取得しました。
チャレンジャブルで学究肌の方ですね。(人間国宝は取り損ねました(>_<))

一目みて13代の作品が気に入りました(水差し)。ヽ(^o^)丿

お店の方に近くにある太郎右衛門窯の工房を案内して頂きました。
貴重な昔の登り窯の遺跡です。


中里太郎右衛門先生の工房です。

ロクロは足で蹴って回すのだそうです。
現在使用中の登り窯

窯の外面にひびがいっているので大丈夫ですかと尋ねると、
窯の中の耐火煉瓦が覆っているので問題はないとのことでした。

松の木を炊き煙突から出る煙は、再度、高温で燃焼させて黒い煙は出ないでそうです。

 

後記・・・有田の昔の思い出・・・
私は、有田の酒井田柿右衛門さんのファンです。
とりわけ、14代目の柿右衛門さんは偉大な13代目(父・人間国宝)のあと
大いに苦闘して遅くに人間国宝のタイトルをとられました。
これは、14代、柿右衛門さん(1934-2013)の作品「濁し手、三方割花文蓋物」です。

柿右衛門さんは、白磁の自作品の大きな壺の前で、
「磁器の美しいときれいは違います。この大きな壺はきれいな作品ですが、
柿右衛門代々の濁し手(乳白色)の美しさにはかないません」。
実に正直・謙虚なお人柄で私はうれしくなりました。

有田の14代目の今泉今右衛門さん(当代、人間国宝)とご一緒に・・・

色絵薄墨墨はじき四季花文花瓶

今右衛門さんは代々、薄墨(うすずみ)の技法で白磁の下地に美しい模様を入れます。
素晴らしい作品ですね。