喜左衛門ブログ:President Blog

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2021年8月25日 (水)

加賀温泉郷の山中温泉で充電しました。

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21年間、通っている加賀市(石川県)の山中温泉「かよう亭」へ行ってきました。
上口昌徳さんは90歳近い高齢ですが、現役バリバリの旅館の亭主です。
大変な文人であり、たった13室の温泉旅館「かよう亭」に世界中から客人がやってきます。
大聖寺川が滔滔とながれる鶴仙渓に掛かる黒谷橋。

この石橋のすぐ近くが「かよう亭」です。


さりげないロビーにはやすらぎがあります。

すぐ近くに東山神社の参道があります。

祭神は惟喬親王(これたか、884-897、文徳天皇の第一皇子)で木地師たちの守り神です。
実は、拙宅の先祖の地(五個荘)の東近江市にある永源寺の奥地の筒井神社(蛭谷)に惟喬親王が祀られ、木地師の全国のメッカになっています。
山中温泉は湯治で有名ですが、お椀など山中塗りの産地で多くの木地師・塗師が活躍し、同時に九谷焼(陶磁器)などの伝統産業の産地です。

「かよう亭」のすぐ近くに芭蕉堂があります。

松尾芭蕉(1644-1694)は、山中温泉に長逗留し多くの句を詠んでおり、この地は俳句を愛する人が多くいます。

鶴仙渓(かくせんけい)の水と緑です。

至るところに小さな滝があります。

渓谷で写生をしている人に出会いました。

杉の木立が続き大自然のオゾンがふり注ぎます。

こおろぎ橋が、昔のままの姿(木製)で架け替えられました。

木組みがこおろぎの姿のように見えます。

20年以上のお付き合いのある「多田桂寛」の多田社長(2代目)、東京オリンピックの加賀市のリレーでつかったトーチカを持って・・・


多田桂寛さん(先代)は塗師の名人であり、川北良造さん(1934~、木工芸の人間国宝)の同級生で6年ほど前に亡なれらました。
多田桂寛さんが作った漆器は、拙宅の息子達の結婚式のおり記念品に使わせて頂いたり、とても仲良くさせて頂きました。
今回も多田桂寛漆器店で、先代が作った漆器や川北良造さんのご尊父の作品(欅のお皿)など、色々と思い出の品をわけて頂きました。
漆器好きの小生夫婦は幸せなひとときでした。

「かよう亭」に戻りいよいよ夕食です。

冬瓜をくりぬいたのっぺ汁は絶品です。

20年前に出会った石政料理長(先代)の直伝の一品で、海老原(現)料理長の自慢の作です。

山中温泉の湯は非常に安らぎます。


緑一杯の湯殿は大きく宿泊客が少ないのでいつもひとり占めできます。

「日本一の朝食」

何が「日本一」なのかって?
これは経験しないと口ではうまく言えません。
メインの夕食以上に「人生の幸せ」を感じる朝食と言えます。

朝食後の散歩

鶴仙渓にかかる「あやとり橋」

かよう亭の上口昌徳さんが勅使河原宏さんを口説いてデザインされ完成しました。

帰りに山代にある薬王院温泉神社に寄りました。

「いろは草庵」の北大路魯山人の寓居跡

いつもこの草庵で半時間ほどくつろぎます。
魯山人がこの地の旦那衆の後押しで日本の大舞台へ出てきました。
そんな文化の厚み、魯山人がふつふつとエネルギーを蓄えて世界へ羽ばたいた心ゆきを感じます。
・・・かよう亭、鶴仙渓、多田桂寛さん、地元のお菓子屋さん、魯山人・・・なんとも豊潤な山中温泉の湯治の旅でした。