喜左衛門ブログ:President Blog

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2025年7月22日 (火)

事業承継学会の7月研究会が同志社大学でありました・・・その1

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酷暑の休日、同志社大学に行っていました。
同志社大学の正門。建学は今から150年前に新島襄(1843―1890)によって創立されました。新島襄は江戸の神田で武士の子として生まれ、名は七五三太(しめた)といいました。新島襄はアメリカへ留学して波乱万丈の生き方をした明治の大教育者です。

新島襄の自筆の良心碑「良心の全身に充満したる丈夫の起こり来らん事を、新島襄」

学生が集まる良心館のRYO410号教室が事業承継学会の会場です。

この巨大な学舎の地階におおきな学生食堂があります。

今回は、事業承継学会の7月研究会は会員など有志30名が始まりました。
まず、八木匡教授(経済学部)のご挨拶

◆夏世明先生・・・・京都老舗企業のイノベーションにおける「能力」と「意欲」のパラドックス・・・

老舗の「経営のリソ―ス」(能力、経営資産)と「意欲」についての議論です。
京都商工会議所のアンケートで、創業が古く当主は何代目と言われる歴史があり古参社員が多いほど、経営のイノベーションが起こりにくい・・・・という結果が出ています。

創業時の「ガッツの精神」は歴史と富の蓄積と共に失せていき、段々と保守的になっていきます。
拙宅の近江商人の3代の図の掛け軸は、「富は三代続かず」と暗喩しています。
「朝から晩まで働く生活習慣」と「お客様のため世のために懸命に働くいう使命感」が代々受け継がれることは、企業は永続性にとって非常に重要だと私は思うのです。

夏先生とは十年ほど前に台湾の台中にある東海(トンハイ)大学でお会いして以来です。

◆八木先生の講演・・・ファミリービジネスの承継を成功に導く意思決定構造

事業承継のおけるリスク構造、八木教授は、事業承継を構造的、数理的な解析に挑まれました。

私の30代半ばの折、私は父親に対して「相続対策の妙案」を生意気に提案し、父親の激怒を買いました。いつもは穏やかな父が、「お前はワシの死ぬのを待っているのか?」とどなりました。こんなに怒った父を見たのは初めてでした。
私は気を取り直して、税理士の先生に同じ提案を父親に説明してもらいました。
すると父は、「最初からこの先生(税理士)に相続対策を説明してもらうべきだった」とすんなり承知しました。親父の血と汗の結晶である財産に私は敬意を払うこと無く、浅知恵で「次代(自分)のための相続対策」を口にしたので父は無性に腹が立ったのでしょう。
今となっては私の未熟で無神経な若い頃が恥ずかしく、父の寛大さに感謝するばかりです。


◆質疑応答があり研究会は終了しましたが、これからは、アカデミアン、士業(弁護士、会計士など)と相続の協力者(信託銀行、生保など)、そして老舗経営者自身が参加した幅広い事業承継学会が必要だという結論になりました。
沢山、弊社にやってくる中国企業家の訪日研修団の来日の目的は「百年企業経営と事業承継」です。
京都の老舗の経営者の最大の関心事は、「後継者教育と相続問題」です。
これらの社会課題の解決に貢献できる事業承継学会をめざすべきでしょうね。

追記
事業承継学会が終了して、同志社大学を散策しました。
小生は歴史好き、文化財の好きで、同志社大学はまさしく宝庫です。
次号のブログをお楽しみに(^^♪