喜左衛門ブログ:President Blog

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2025年10月22日 (水)

大和文華館の浅野秀剛館長を尋ねました。

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近鉄奈良線の学園前駅周辺は文化エリアで、近鉄沿線の富裕層住宅地でもあります。
80年ほど昔、大阪の帝塚山学園を誘致し近鉄の「学園前駅」が誕生しました。
近鉄の前身の大阪電気軌道の金森社長(1927-37)の後を受けて、種田虎雄氏は社長(1937―47)となりましたが彼は一流の文化人であり1946年に大和文華館を設立。
近鉄の中興の祖と言われた佐伯勇社長(1951-73)は大阪の文楽を擁護したり、大和文華館の建設に努め、さらに後年、学園前駅近くの自宅の一部を松伯美術館(上村松園・松篁・敦之)としました。

今日は学園前の大和文華館の浅野秀剛館長を尋ねました。

壮大な美術館で森の中に美術館があります。

11月12日(水)午後3時半から、西陣織あさぎ美術館の講演会の講師をお願いするためにお伺いしました。

門衛さんにお願いし、秘書さんの案内で受付を通り、館長室にたどり着きました。
浅野館長は気さくな方で浮世絵の大家です。
大変に楽しい話を沢山お聞かせいただきました。

浅野館長に言われて大和文華館を見学しました。
美術館内に、佐伯勇さんの揮毫で「種田君を称える碑文」があり、大和文華館設立した種田さんの銅像がありました。
種田虎雄氏は、1927年、官僚(東京大学卒)を経て専務として入社し10年後に社長になり、一方、同じ1927年に種田より20歳若い佐伯勇氏(東大卒)は新卒で入社しました。
1946年に種田虎雄社長によって設立された大和文華館は、世界的な美術家であった矢代幸雄に依頼し東洋の美術品を系統的に収集し、後年、国宝4件、重文31件となるコレクションを集め出しました。
1960年、佐伯勇社長は大和文華館を竣工し近鉄創立50周年事業として開館しました
私立の美術館の多くは、実業家か大名家のコレクションを母体としていますが、大和文華館は、当初からの美術館構想があり矢代氏の「美のための美術館」といわれる名品を系統的に集めたことに特徴があります。戦後の日本の美術品が散逸し海外へ移るのを防いだ功績は大きいでしょうね。
所蔵品は、中国、朝鮮、日本の東洋の古美術の名品2113点があります。

琳派のコレクションの企画展示を拝見しました。(写真はカタログより)
蒔絵歌絵鏡巣(室町時代)

婦人像(桃山時代、重文)

青貝金貝蒔絵群鹿紋笛筒(伝・本阿弥光悦、重文)

扇面貼交手箱(尾形光琳、重文)

流水図広蓋(尾形光琳)

富嶽図扇面(尾形光琳、重文)

作者名や重文かどうかよりもともかく名品が多いのです。
さすがの審美眼です(^^)/
時代を築いた先人の思い、文化を守ろうという高い志と美意識・・・・
歴史が生む出す偉業であり奇跡ですねぇ。

・・・講演会のご案内・・・

テーマ:「蔦屋重三郎版の浮世絵」
講 師:浅野 秀剛 先生(大和文華館館長)
日 時:11月12日(金) 15:30~17:00 (会場は14:30~)
会 場:ツカキスクエア京都 8Fホール
受 付:ツカキスクエア京都 1F(フロントにて)
参加費 無料です。できればお申込みください。(※7F美術館をご観覧の方は、別途入館券が必要です。)

お申込み方法
※お申し込みについては、7F美術館カウンターもしくは、「西陣織あさぎ美術館」宛に下記のメールアドレスまたはお電話にて、ご連絡をお願いいたします。
Mail : asagi-museum@tsukaki.com
TEL : 070-6928-6895(松井宛)
(限定数のため定員数を超えた場合は、お断りさせていただきますのでご理解ください。)