

2025年11月25日 (火)
薩摩焼の沈寿官さんの華麗な作品
沈寿官(ちんじゅかん)は薩摩焼で有名な代々の陶芸家です。
1598年、豊臣秀吉が朝鮮出兵(慶長の役)を行い、九州の諸大名は朝鮮から優秀な陶工を沢山、日本へ連れて帰りました。
鍋島藩(佐賀)の有田焼の酒井田柿右衛門、唐津藩の中里太郎右衛門など有名な窯がありますが、概ね、同じ時期に技術が朝鮮から渡来し代々その名を残し、各窯元は現在15代目あたりになりますね。
島津藩(薩摩)は沈寿官を連れて帰り、朝鮮名で代々受け継ぎ現在に至っています。
11月のある日、突然、沈寿官(15代目)先生がある画廊と一緒に弊社を訪問されました。
弊社の応接間に歴史上の人物が座っておられ、色々と陶芸の話をさせて頂きました。
先生は非常に博識で伊万里、唐津、清水など有名窯、薩摩焼について語られました。
小生の至福のひとときでした。
さて、その展示会が画廊で開催され、家内と出かけました。
沈寿官先生の陶芸は、登り窯で薪をくべ昔ながらの製法です。

沈寿官先生(15代目、1959年生まれ66才)は早稲田大学卒業後、京都府立陶工訓練所で勉強されフィレンツェでさらに研究され40才で沈寿官を襲名されました。

沈寿官の作風は華麗で透かし彫りを得意した精緻な作品です。
薩摩焼目透菊花香炉


気の遠くなるような細かい仕事ぶりです。
小生は、これが一目で気に入りました。
薩摩二種彫龍耳香炉


沈寿官先生と記念撮影です(^^)/

家内は黒薩摩の茶碗が気に入りこれも求めました。

華麗な透し彫りの精緻な陶磁器に対し、質朴な黒薩摩、中々、対比の妙があります。
この不思議さが沈寿官の魅力なのでしょうねぇ・・・
実に楽しいひとときでした。